Vol.34 No.5 (2001.4) 発  行:視聴覚情報研究会(AVIRG) 代表幹事:伊 藤 崇 之      〒157-8510 世田谷区砧 1-10-11      日本放送協会放送技術研究 所      TEL 03-5494-2361      FAX 03-5494-2371 T.3月例会報告 「CAVEを中心とした没入型投影ディスプレイの利用動向」            講演:高橋 裕樹 氏(東工大)           報告:熊澤 逸夫(東工大) 《概要と感想》  東工大のベンチャービジネスラボラトリ ー(VBL)に1996年に導入されたC AVEは,これまでにコンピュータグラフ ィクスとバーチャルリアルティの分野で各 種研究に活用され多くの成果を生み出して きた.今回ご講演いただいた高橋裕樹氏は このCAVEの導入から立ち上げ,運用, 応用まで一貫して携わって来られ,CAV Eに関する豊富な経験をお持ちである.今 回の講演では,イリノイ大学におけるCA VE開発の歴史と世界各地におけるCAV Eもしくはその類似システムの運用状況の 紹介と氏自身によるCAVEの応用研究の 報告があった.CAVEの利点や可能性の みならず,運用上の難しさや,実際の利用 者が感じている限界等AVIRGならでは の実直な感想や裏話を聞くことができて大 変面白かった.  講演の前半にCAVE発祥までの歴史的 経緯として1989年HMD,1992年 IPT等を経て,小部屋型ディスプレイC AVEがイリノイ大学で1992年に誕生 するまでの過程が紹介された。こうした歴 史的背景を聞くとCAVEのキーワードと して定着した大型画面,広視野角、等身大 の映像,没入感といった特色は決してCA VEが初めて実現したわけではなく,それ 以前の装置でも備えていたこと,CAVE の新規性とは従来システムが大変大掛かり であったのを実験室レベルで一つの小部屋 を使って提供した点に過ぎないのではない かとも思えた.実際,CAVEが評判とな るずっと以前に筑波科学博でドーム型のス クリーンで立体映像が上映されていたこと が記憶に浮かんだ.そこでは確かスーパコ ンピュータで合成した3次元映像が上映さ れており,CAVEと同様の没入感を得た ことを覚えている.ハードウェアとしても CAVEは既存の装置の組み合わせにすぎ ない.既存の装置の組み合わせが,身近な 環境で驚くべき視覚的効果をもたらしたこ とがこのように騒がれるきっかけになった のであろう.講演後,CAVEのデモが披 露され,筆者も小部屋に入ったが,その効 果は外にいる限り全く想像できなかった. 大したことがないと思いながら実際に中に 入ると目眩さえ伴う迫力を味わった.  東工大のCAVEは,3mX2mのスク リーン4面(正面,左右,床)からなる. 画像はSGIのOnyxによって生成され,各ス クリーンに背面からプロジェクタによって 投射される.3次元位置センサーを備え, 小部屋の中の人の動きに連れて生成される 画像が変化する.その用途はアミューズメ ント,モデルルーム,景観シミュレーショ ン,科学技術計算の可視化シミュレーショ ン,3次元形状設計等であるということで あった.筆者もデモの体験後,装置を低コ スト化してゲームセンターに置くと評判に なるのではないかと思った.  他の機関でも同様なシステムの開発と導 入が進んでいるそうである.例えば東大の CABIN(5面),GMDドイツの CyberSpace,岐阜県科学技術振興センターの COSMOS(6面),Georgia Tech.のNA VE,Virginia Tech.のVTCAVE, Fakespace社のRAVE,イリノイ大の ImmersaDesk,Infinity Wall,Power Wallはい ずれもCAVEの類似システムまたは発展 形であるということであった.  利用状況としては、ACE(オーストリ ア)の21世紀の美術館,ICC(日本) の科学技術と芸術文化の融合,セガ(日本) のB.O.X.システム(アムューズメン ト),核融合研究所の物理現象可視化,GM 車のデザイン,Virginia Techのビジュアライ ゼイション,日商岩井ビルのウォークスル ー,U. of Houstonの教育シミュレーションが あるということである.なお東工大では高 橋氏の研究グループでCAVEに関連して, 簡易,直感的な操作性を重視した入力イン ターフェイス,臨場感向上のため音声付加, 仮想環境内の奥行き知覚誤差,レーザ光線 を使って床の近くで磁気センサーよりも高 精度3次元位置計測装置,足を使った仮想 世界の操作,複雑な仮想環境における立体 音響.PCクラスタを使用しアーチ型など の多様なディスプレイに対応できる高精細 大型ディスプレイシステム,立体映像間の 同期,レンダリングの高速化,等の多様な 研究を行っており,その一部について紹介 があった.その中で筆者が興味を持ったの は,仮想環境内の奥行き知覚誤差で,外側 の物体の方が知覚誤差が大きいという実験 結果であった.氏等のグループではその補 正方法を現在研究中であるということであ る.  最後にCAVEの使用に当たり注意すべ き点として,使用面数,スクリーンアスペ クト比,スクリーンの種類(ソフトタイプ かハードタイプか),磁気センサー計測可能 範囲等の設定方法が指摘されていた. 「多視点画像処理による臨場感コンテンツ生成技術の動向」          講演:斉藤 英雄 氏(慶応大)          報告:依田 育士(産業技術総合研究所知能システム研究部門) 《概要と感想》  講演者の研究をベースに,多視点動画像 処理に関する最新の話題をふんだんに盛り 込んだ中身の濃い講演をして頂いた.サー ベイとしても非常に優れた内容であったの で,若干難しくはなるが,ビジョン関連の テクニカルタームなどの解説はあえて避け, できるだけ忠実に報告する.  まず多視点動画像処理とは同一シーンに おいてたくさんのカメラから観察して得ら れる動画像処理のことを指す.現在,研究 レベルでよく用いられる全方位カメラ(オ ムニビジョン)との違いは,多視点は内向 きにそれぞれの焦点距離で同一シーンを捉 えているのに対し,全方位カメラは外向き に,単一焦点で全方向を見ている.つまり 全方位カメラは単一焦点であるが故に取扱 いが容易であり,逆に多視点は難しい所以 でもある.  また,臨場感コンテンツとは,この多視 点画像を利用して,対象シーンの状況をそ こにいるかの如く理解できるコンテンツを 指している.しかし,現実はまだ難しく, 視点が自由に変えられる,あるいは作れる 程度である.  この類の研究は,この方向に使われる以 前から,マシンビジョンやロボットビジョ ンにおいても,ロボットの自立作業のため などに使われてきている.  現在の研究の目的は新しい映像コンテン ツを作ることであり,実際のその映像効果 は映画「マトリックス」などでは既に使わ れている.ただ映画では多数のカメラを密 に並べてパラパラ漫画のように作っており, 特にコンピュータビジョン(CV)研究の技 術が使われているわけではない.  また,スポーツ映像での実施例としては 今年の正月にスーパーボールで使われた 「Eye Vision(CMU,CBS)」がある.10°おき にスタジアムを取り囲むように36台のカ メラを配置し,そのどれか1台のカメラを プロのカメラマンが動かすと残りの35台 のカメラもフィールド上の同一視点を追随 するシステムである.2軸の雲台とズーム カメラを高速に制御できるのがキーポイン トで,放送中のリプレイでは実画像の切り 替えを映像効果として使っている.ただ結 局のところ実画像の切り替えであり,画像 の研究的要素がまだあまり入っていない故 に2例とも実現されているという皮肉的な 側面もある.  このような多視点映像を使って,臨場感 映像を作るという欲求は,学術分野でもま すます盛んになっており,具体的な多視点 動画像へのチャレンジとして以下の3例を 紹介する. 1) Real Time Acquisition and Rendering of Dynamic Scenes (MIT)  3次元モデルを明示的に作らない Image-based Visual Hullsの手法により高速 モデリングとレンダリングをできる仕組み を作っている.4台のカメラをそれぞれが 1つのCPUに対応するサーバに繋げ,ほぼ ビデオレートで作成することができる.内 部表現として3次元ポリゴンではなく,隣 の画像がどこに見えるかという対応点マッ ピングだけを持つことで映像化している (2000年SIGGRAPHで発表).視点が自由に 動かせるといっても180°の範囲内で一つ の壁を背景にしており,画像のシルエット をとる問題をクロマキー背景にして避けて いる. 2) Virtualized Reality(CMU.講演者 が2年間,現地で研究に参加)  49台のカメラを配した3D-Doomにおいて, マルチベースラインステレオを使っていろ いろな方向からの距離画像を作る.多視点 の距離画像に変換した後,体積空間の中で 重ね合わせる処理をして3次元モデルを作 成していく.例としては3人のバスケット などがあり,計算時間は非常にかかるが3 次元を一回作ってしまうとどこからでも見 られる.音を付けた例としてフラメンゴダ ンスがある. 3) 大規模空間プロジェクト(筑波大, 慶大,CMU.講演者が中心的に参画)  仮想化現実技術による自由視点3次元映 像スタジアム通信の実証実験(通信放送機 構を主体に地域提案型開発制度を利用,大 分県)を行っている.研究目標は100mク ラスの大規模空間で3次元空間を仮想化す ること,カメラ焦点距離の大きな移動をコ ントロールすることである.ほぼ完成間近 のビックアイ(竹中工務店施工)は,サッ カー利用のためにオープンエアであるが, 骨組みが天井にも張り巡らされているので, そこにカメラを取り付ける.現在は,スタ ジアムが未完成であるので,別府ビーコン プラザ(D50×W70×H25m.スタジアムの約 1/2)で,カメラ16台で実験中である.カ メラの台数は実際のスタジアムでも同数を 予定している.これだけの規模での実験例 はないが,CV的なアルゴリズムは上記 Virtualized Realityと同じである.  ここでカメラキャリブレーションは大規 模空間ではより大変になり.マーカー(平 面であるホワイトボード上の3点)を好き な場所に置き,工事現場用のレーザ測量機 で計測する方法を開発した.3次元形状復 元問題として,カメラの最適台数は分から ないが,多いほどいいと現在は考えられて いる,しかし多いほどキャリブレーション は大変で研究テーマとなっている. また,レンダリングの質も重要で大きなテ ーマと成り得ている.3次元ポリゴンモデ ルを作るより,光線空間理論(東大・原島), 米国ではLight Field Rendering (Microsoft, Stanford)と呼ばれる手法を使った方がいい という可能性もある.  計算時間の短縮は,Virtualized Reality の手法では特に問題でもある.  未校正多視点カメラからの3次元復元の 問題は,カメラに写っている画像とユーク リッド3次元座標との対応付けが大変であ る.そこで,3次元空間=カメラ座標と仮 定すれば,カメラに写ればその座標が得ら れたことになる.こう考えて,選択した2 つのカメラから得られる画素から独自に座 標系を定義する.そして残りのカメラ画像 はその座標系への対応点を決めるようにす る.つまり,2つのカメラのFundamental Matrixという画像間の対応関係のみが分か ればいい.言い換えると,エピポーラ幾何 がわかることで3次元モデルを復元できる. このようにF-Matrixを利用してProjective Grid Spaceを構成して3次元モデルを用い ずにレンダリングをしている.  現在のサッカー選手1人によるリフティ ング例では,3次元座標の測量を利用して いない.最終目標は2次元の画像なので, レンダリングにはView Morphingを使ってい る.メリットは高画質化と高速化で,高速 化のためにオクトツリーを使っている.  最後に映像生成以外の多視点の応用とし て,以下の3例を紹介する. T) サッカー映像の処理(慶大)  ・選手の追跡によるゲーム解析  ・カメラの自動選択  4台のカメラによるゴール前で実験を行 い,ボール位置の特定(画像処理)を各カ メラでLocalに行い,同時にその情報を統 合することで視点の選択(カメラの自動選 択)をGlobalに行う.ここではカメラ間の Fundamental Matrixを使うことで,最低2台 のカメラでボール位置を特定できれば,ボ ールが遮蔽されているカメラでもボール位 置を特定することができる. II) 安全監視システムへの応用  人と機材の安全監視(日本機械工業連合 会,  労働省,明大,都立大,慶大.2000年4 月〜  2001年3月)  天井にカメラを複数台(9つのカメラ) 配置して,人とロボットが協調的に作業す る空間の中で事故を防ぐことを目的に行っ た.床面に既知のパターンを配置して,出 来るだけ正確にシルエット画像を作り,そ の画像を多角的に安全のために使っている. 安全性の中に画像センサーを組み入れるこ とが目的でもある. V) 人の動作解析  CMUのHID(Human Identification) Project  人の顔だけでなく動作などあらゆる面か ら人やその動作等を認識,識別する. 3D-Domeを使った多視点画像を利用して人 の解析をする. FAQ(講演者自ら用意!) Q1) 応用先は?ビジネスになるの? A1) ハリウッド映画やスポーツから使われ ればそこから拡がっていくのではないか. 喜んでもらえることから始まると思う.ビ デオレートで実現できれば,遠隔通信にも 使えるのではないか. Q2) カメラは何台になるの? Q3) 評価法はあるの? A2,3) 現時点では非常に難しい質問で,こ れからの研究の中で考えていきたい.  以上,できるだけ正確に講演を再現して きたが,各研究内容やテクニカルタームな ど,どれも一般のサーチエンジンを利用す ることで参照できる.報告者としては,読 者が興味を持って頂き,より詳細について も調べてもらえれば幸いである. U.平成12年度特別講演および通常総会のご案内  平成12年度の特別講演および通常総会を, 下記のとおり開催いたします.会員の皆様には, 万障お繰り合わせの上,ご参加下さいますよう お願い致します. 期 日:2001年5月23日(水) 場 所:東京大学工学部 6号館 2階 61講義室 【特別講演】 時 間:15:00─16:30 タイトル: 「量子力学『的』コンピューティングのすすめ」 講演者:上坂 吉則 氏(理科大)   認識・学習や人工知能などの分野で数理モデル やアルゴリズムを考案するとしばしば計算の爆 発に出会うことがある.これを回避するのにア ルゴリズムを近似的に改良する努力が払われて いることはよく知られている.回避のもう一つ の方法は計算機構そのものをチューリングマシ ンの呪縛から解き放すことである.  実際,計算機構の物理的リソースを古典から 量子の世界に移すことによって,量子コンピュ ータはチューリングマシンの計算の複雑さの壁 を破ることに理論上成功している.しかしなが ら,そのハードウェアを現実のものとするには 多くの困難が伴うようである.ここでは量子計 算のからくりを生かしながら,古典の物理リソ ースによって同様のことを実現しようという試 みについて紹介する.  はじめに量子計算のエッセンスが線形性にあ ることを簡単に紹介し,このトリックを線形受 動回路に埋め込むと,チューリングマシンと同 等の計算能力と量子コンピュータと同等以上の 計算速度を持つことができること,さらにこの 世界ではNP問題がP問題に落ちることを示す. しかしながら,この結果には周波数爆発と呼ば れる難点があり,これを回避する試みについて も二三触れることにする.  この講演では,海のものとも山のものともわ からない研究途上の話題をたたき台とするとい う往年のAVIRGの精神に沿うこととし,一 つの試みを紹介して諸賢の明晰・活発な議論に 期待することとしたい. 《参考文献》 [1] 須鎗弘樹,上坂吉則,組合せ最適化問題の 目的関数を計算する量子回路の一構成法, 電子情報通信学会論文誌,Vol.J81-A, No.12, pp.1722-1727,1998. [2] 上坂吉則,量子コンピュータの基礎数理,    コロナ社,230pp,2000.pp.35-42,(1997.10). [3] 上坂吉則,新しい計算機構の提案〜線形回 路による超並列計算〜,情報処理学会,新 しい計算パラダイムシンポジウ ム,pp.43-50,2000. 【総 会】 時 間:17:00─18:00 議 題(予定): 1.平成12年度事業報告 2.平成12年度会計および監査報告 3.AVIRG会則改正について 4.平成13年度事業計画(案)および収支予  算(案) 5.平成13年度役員選出 6.その他 今回の総会は,会則改正という重要な議題を含 んでいます.多数の会員の方々の出席をお願い します.やむを得ず総会に出席できない方は,添 付の委任状に,決議を委任する会員の氏名をご 記入の上,アンケートの回答とともにお送り下 さい(委任する会員名が空欄の場合,議長に一任 されたものとみなします). V.会則改正について  前号の会報でもお知らせしましたように,AVIRG活動の一部電子化を視野に入れて, 会則の改正について検討してまいりました.以下は、会則改正案の骨子と改正案全文です. 改正案の内容に関して,ご意見を添付のアンケート回答用紙に記入して代表幹事宛にお送 り下さい. 【改正案骨子】 (1)会報の印刷・郵送の廃止と会費の無 料化  会報の印刷・郵送を廃止し、電子媒体に よる情報提供とする.これに伴って正会員 については会費を無料とする. (2)会員の定義  会則の遵守を約束するものは,誰でも会 員になれる.なお新規会員は電子的に自動 登録する. (3)提供サービス  従来通りの例会,ホームページによる各 種情報提供,電子メイルによる会報,会員 メイリングリスト等. (4)運営の資金源  旧AVIRGの資産と特別会員による会 費.なお特別会員にはAVIRGホームペ ージに広告を掲載することを認めることを 予定している. (5)役員と組織  新組織の役員は2001年5月のAVI RG総会において旧ルールに従って選出す る.新役員の構成は従来どおり,会長1名, 監事2名,代表幹事1名,幹事若干名とす る.新組織移行後は,新規役員を以下の方 法で選出する.  新会長:現会長の推薦による.  新監事:現監事2名の話し合いのもとで の推薦による.  新代表幹事:現代表幹事および現幹事の 話し合いのもとでの推薦による.  新幹事:現代表幹事及び現幹事の話し合 いのもとでの推薦による.  特に監事と幹事の人事は独立に行われる ように配慮する.監事の役割は従来の会計 監査に加えて,幹事業務の適切さの監視で あり,幹事に不適切な行為が認められる場 合や会員の訴えがある場合には監事会を召 集し,その議長となって警告,処分などの 対応を取ることになる. (6)総会  従来の総会は定足数以上の会員の出席ま たは委任状の提出を要したが,新組織では, 会員決議を行わない.従って総会は廃止し, 代わりに会長,代表幹事,幹事,監事,一 般会員の参加する拡大幹事会を毎年5月に 開催する.拡大幹事会は一般会員に公開し, 前年度活動,新年度活動計画,前年度決算, 次年度予算を報告する.なお5月以外にも 必要に応じて臨時拡大幹事会が召集される.  監事の招集する臨時総会に相当するもの として監事会を新たに設け,会員決議がな くとも会の健全な運営が図れるように配慮 する. 【会則改正案】 第1章 総 則 第1条 本会は視聴覚情報研究会と称し,英 語名を Audio−Visual Information Research Group(略称AVIRG)とする. 第2条 本会は営利を目的とせずに,視覚, 聴覚,触覚等に関わる情報科学,情報工学, 人文科学(以後同分野と略記)に関する研 究,及び開発に関する情報を会員内外に普 及し,また,本会独自の方針に従って同分 野に関する研究,調査を実施し,研究,開 発を奨励し,それによって同分野の発展と, その方向づけを期し,同時に会員間の交流 を図ることを目的とする. 第3条 本会は、第2条の目的を達成するた めに,次に掲げる事業を行なう. (1) 会報を電子媒体にて周知,発行する こと (2) 同分野に関する一切の事柄について, 研究会,発表会,学習会,講演を主催,共 催,後援すること. (3) 同分野に関する一切の事柄について 収集,選択した情報を公開する場および会 員間の情報交換の場としてインターネット 上に独自のサイトを維持すること. (4) 同分野の発展に役立つ研究,開発を 行なう個人,団体を本会自ら表彰し,もし くは表彰の斡旋を行なうこと. (5) その他第2条の目的を達成するに必 要と認められること. 第2章 会 則 第4条 本会の会員は,名誉会員,正会員, 特別会員の三種とする.会員の種別の決定, 変更は幹事会がこれを行なう. 第5条 次の者は本会員とする. (1) 本会会則の趣旨に賛同し,別に定め る電子的手続きに従って入会したもの. (2) 第6条に該当するもので,幹事会の 推薦を受け,本人が承諾したもの. 第6条 本会および同学の発展に多大なる 貢献をしたと認められる個人について幹事 会はこれを名誉会員として推薦することが できる. 第7条 第5条第1号の規定によって入会 した団体はこれを特別会員とし,1ヶ年に つき会費を1口以上納入しなければならな い.特別会員年会費は年額1口30,000円と する.特別会員は第3条第3号に挙げるイ ンターネット・サイトに本会会則の趣旨に 従い内容に関して幹事会の承認を得た上で 広告を掲載することができる. 第8条 第5条第1号の規定によって入会 した個人は,これを正会員とする. 第9条 本会の会員たる資格は次のいずれ かに該当する場合喪失する. (1) 本人の死亡,失跡及び団体の解散. (2) 本人が別に定める電子的手続きに 従って退会手続きをしたとき.及び団体が 書面をもって退会を届け出たとき. (3)除名決定が幹事会の議題に提出され, 可決された場合には資格を喪失する.この 場合に該当会員は幹事会においてまたは何 らかの通信手段によって自己の意見をのべ る権利を有する. 第10条 本会会員が本会運用の秩序を著 しく乱したとき,本会の名誉を公に著しく 傷つけるか,または本会に多大の不利益を もたらしたとき,若しくは不利益をもたら すことが明らかとなったとき,幹事会は除 名決定について審議しなければならない. 第3章 役員および組織 第11条 本会に会長をおく.会長は本会 を代表し,総理する. 第12条 本会に代表幹事を1名おく.代 表幹事は本会業務の執行を総括する. ただし代表幹事は会長の委任により本会を 総理することができる. 第13条 本会に代表幹事を含めて幹事を 若干名おく.会長及び幹事は幹事会を構成 し,この会の業務について,本会則に基づ いて,決議,執行,あるいは本会を代理す る. 第14条 会長,代表幹事,及びその他の 幹事は幹事会において正会員より選出し, 任期は1ヶ年とする.会長及び幹事は再任 を妨げない. 第15条 本会に監事を2名おく.監事は 幹事会において正会員中より選出し.任期 は2年とする.再任は妨げない.監事は本 会の他の役員になることができない. 第16条 監事は次のことを行なう. (1) 本会の財産の状況を監査する. (2) 幹事の業務執行の状況を監査する. (3) 上記第1号,上記第2号に関して, 不正のおそれがあることを発見した場合, 監事会を招集させ,議長となって,これを 報告し不正に対処しなければならない. (4) 毎年度の決算について監査結果を幹 事会で報告する. (5) 会の運営に対して寄せられる会員の 声をモニターし,幹事の対応の必要性を感 じる場合に監事会を招集し,議長になって 問題解決に努める. 第4章 会 議 第17条 会議は監事会,幹事会とする. 幹事会は通常幹事会と拡大幹事会からなり, 拡大幹事会では本会の前年度運営内容と次 年度運営計画の報告を行なう.通常幹事会 は本会の運営に関する全ての決定権を有す る.監事会は本会運営の適切性を監査する. 第18条 通常幹事会は会長,代表幹事, 及びその他の幹事によって構成し,例会開 催時等に適宜開催される. 第19条 拡大幹事会には通常幹事会構成 員以外の正会員等の参加を妨げない.ただ し正会員等とは正会員及び正会員であった 名誉会員のこととする.拡大幹事会は毎年 1回4月1日から5月31日までの間に開 催し,会長が招集する.なお前期期間以外 にも必要に応じて臨時拡大幹事会が召集さ れる. 第20条 監事会は監事,会長,代表幹事, 及びその他の幹事によって構成し,第16条 にもとづいて監事が招集を決定したときに 開催される. 第21条 総会の開催は開催日の1週間前 までに電子メイルによって正会員等に通知 しなければならない. 第22条 拡大幹事会の議長は会長がなる. 第23条 次のことは通常幹事会の承認を 経た上で拡大幹事会で報告しなければなら ない. (1) 予算及び決算 (2) 事業計画、事業報告 (3) その他本会則により,監事,その他 委員会に委任した以外の事項 第5章 資産および会計 第24条 本会の資産は次のものとする. (1) 目録記載の財産 (2) 特別会員の会費 (3) 事業に伴う収入 (4) 資産の果実 (5) 寄付金品 (6) その他の収入 第25条 会計担当幹事は監事の承認を得 た上で前年度決算,該当年度予算計画及び 前年度末3月31日時点の財産目録を拡大 幹事会で報告し,これらを保管すると共に 本会サイトを通じてインターネット上で公 開しなければならない. 第26条 本会の会計年度は毎年4月1日 に始まり翌3月31日に終る. 第27条 本会の予算は会計担当幹事が作 成し,通常幹事会及び監事の承認を経て, 会計担当幹事が管理する.年度が始まって 1ヶ月以上経過してなお予算が決定しない 場合には,通常幹事会は必要最小限の範囲 内で,前年度予算の12分の1を越えない 範囲をもって1ヶ月ずつ暫定予算を作成執 行できる. 第28条 本会の予算を年度途中で変更し ようとする場合には,通常幹事会及び監事 の承認を経なければならない. 第29条 本会の決算は会計担当幹事が作 成し,通常幹事会及び監事の承認を得なけ ればならない. 第30条 本会の書類一切は常に会員の求 めに応じて閲覧に供さねばならない. 第6章 雑 則 第31条 本会則の変更は幹事総数の半数 以上の賛成をもって通常幹事会で可決し, ホームページや電子メイル等で会員に変更 案を周知した後,監事の承認を得なければ 行えない. 第32条 本会の解散に関しては会則の変 更と同じとする. 第33条 本会解散後残余の財産は,会則 の変更と同じ手続きにより,本会の目的に 最も近い目的を有する団体に寄付するもの とする. 第34条 本会運営に必要な細則は通常幹 事会の議決と監事の承認をもって別に決め る. 付 則 第1条 本会則は西暦2001年6月1日 より実施する. 第2条 初年度の会長,代表幹事,幹事, 監事は,前視聴覚情報研究会会則に従い, 前視聴覚情報研究会の会長,代表幹事,幹 事,監事が合議の上候補者案を作成し,前 視聴覚情報研究会の総会において承認を得 て選任する. 第3条 以前の視聴覚情報研究会の会員は 新会員の下における同会の会員とする. (2001.5/23) 9