2002年度例会・総会のご案内 

《2002年度例会・総会》
  2002年度の例会・総会の日程は次のように行われました。

2月例会 (会員以外の方でも参加いただけます。事前登録や参加費は必要ありません。)
日時 2月13日 14:00〜17:00
場所 東京工業大学大岡山キャンパス西8E号館10階大会議室 (地図上の24の建物)
テーマ 「画像入力による物体反射特性のモデリング」
 招待講演【1】
時間 14:00〜15:30
講演者 Robby T. Tan
Computer Vision Laboratory
Department of Computer Science
Graduate School of Information Science and Technology
The University of Tokyo
タイトル 「Separating reflection components based on color and camera noise」
概要 A method to separate diffuse and specular reflection components for a single input image is presented. The method is based on color and camera noise. Color, or specifically chromaticity, is used to calculate the reflection components, while camera noise is utilized to identify diffuse chromaticity. Unlike existing methods, the proposed method is able to detect diffuse chromaticity robustly and accurately for any kind of surface roughness and light directions. The experimental results show that the proposed method is accurate and robust for uniform colored dielectric inhomogeneous surfaces under a single colored scene illumination.
参考文献 [1] R. Bajcsy et al. Detection of diffuse and specular interface reflection by color segmentation. IJCV, 17(3): 249-272, 1996
[2] M. D'Zmura et al. Mechanism of color constancy. JOSA A. 3(10):1662-1672, 1986
[3] G. Healey et al. Radiometric ccd camera calibration and noise estimation. IEEE trans. on PAMI. 6(3):267-276, 1994
[4] G.J.Klinker et al. The measurement of highlights in color images. IJCV, 2:7-32, 1990
[5] Lee et al. Modeling light reflection for computer vision. IEEE trans. on PAMI 12:402-409, 1990.
[6] S. Shafer. Using color to separate reflection components. Color research and applications 10, 1985.
 招待講演【2】
時間 15:30〜17:00
講演者 張 暁華( NHKエンジニアリングサービス 次世代コンテント研究室)
タイトル 「複雑なテクスチャを持つ立体物からの拡散反射成分と鏡面反射成分の分離法」
概要 実物体を何らかの照明で撮影した画像には、殆どの場合、拡散反射成分と鏡面 反射成分の両方が含まれている。立体物の画像はその用途によっては鏡面反射 成分の分離が必須となる。たとえば、デジタルコンテンツを作る時に、鏡面反 射成分を除いたテクスチャを用いないと、生成した新しい視点画像が背景の照 明と一致せず、合成画像に違和感が生じてしまう。
 単色の物体表面の場合、反射成分を拡散反射と鏡面反射成分とに分離する研 究は盛んに行われている。このような物体に対しては、多くの場合、色空間で 色分析を行い、拡散反射成分と鏡面反射成分に分離している。しかしながら、 殆どの物体の場合、その表面は複雑なテクスチャを持っている。このような物 体表面に対しての反射成分の分離法の研究は多いとは言えない。 本講演は複雑なテクスチャが付いている実物体表面からの拡散反射成分と鏡面 反射成分の分離法について、物体を点光源1灯で照射する場合と、点光源2灯 で照射される場合について、実験装置から反射モデル、分離アルゴリズムまで を紹介する。
参考文献 [1] G. J. Klinker, S. A. Shafer, and T. Kanade: Using a color reflection model to separate highlights from object color, International Conference on Computer Vision, pp. 145-150, 1987.
[2] G. J. Klinker, S. A. Shafer, and T. Kanade: The measurement of highlight in color images, International Journal of Computer Vision (IJCV), Vol.2, No.1, pp.7-32, 1988.
[3] G. J. Klinker, S. A. Shafer, and T. Kanade: A physical approach to color image understanding, International Journal of Computer Vision (IJCV), Vol.4, No.1 pp.7-38, 1990.
[4] S. K. Nayar, X. S. Fang, and T. Boult: Separation of reflection components using color and polarization, International Journal of Computer Vision (IJCV), Vol.21, No.3, pp.163-186, 1997.
[5] R. J. Woodham, Y. Iwahori, and R. A. Barman: Photometric stereo: Lambertian reflectance and light sources with unknown direction and strength, Technical Report 91-18, August 1991.
[6] Y. Sato and K. Ikeuchi: Temporal-color space analysis of reflection, Journal of Optical Society of America A, Vol.11, No.11, pp.2990-3002, November 1994.
[7] X. Zhang, Y. Nakanishi, K. Kobayashi, H. Mitsumine, and S. Saito: Estimation of surface reflectance parameters from image sequences, The Journal of The Society for Art and Science, Vol.1, No.1, pp.8-14, 2002.
[8] K. E. Torrance and E. M. Sparrow: Theory for Off-specular Reflection from Roughened Surfaces, Journal of the Optical Society of America, (JOSA), No.57, pp.1105-1114, 1967.
[9] W. H. Press et al.: Numerical recipes in C: the art of scientific computing, 2nd edition, Cambridge University Press, 1992.

12月例会 (会員以外の方でも参加いただけます。事前登録や参加費は必要ありません。)
日時 12月13日 14:00〜17:00
場所 東京工業大学大岡山キャンパス西8E号館10階大会議室
テーマ 「生体情報処理・心理・生理」
 招待講演【1】
時間 14:00〜15:30
講演者 菊池眞之(筑波大学 電子・情報工学系 )
タイトル 「図と地の分離の神経回路モデル ― 輪郭の帰属領域の特定のメカニズム」
概要 3次元空間の物体群が2次元網膜に投影されると、互いに重なり合った複数の領 域が生じる。視覚系ではこの網膜像内のどの領域が空間的に手前に位置する遮 蔽物体領域、すなわち図で、どの領域がそれらに対し奥に位置する被遮蔽物体 領域、すわなち地となるかを判断する。この図と地の分離について多くの研究 がなされてきたが、隣接する2つの領域の境界である輪郭は2領域両方に所有さ れるのではなく、遮蔽物体側すなわち図と解釈される領域側のみに所有される という性質が、視覚系で処理される輪郭情報にも実際に備わることが近年の心 理・生理実験で示されており、脳内の図地分離の表現様式について大きな示唆 を与えている。しかし、この輪郭の帰属性がどのようなメカニズムによって生 じるのかは明らかになっていない。本講演では視覚系における輪郭の帰属領域 サイドの特定のメカニズムに関し、心理学・生理学の知見、これまでに提案さ れてきたモデルと共に、本研究で提案する神経回路モデルを紹介する。
参考文献 [1] Nakayama, K., He, Z.J., Shimojyo, S.: Visual surface representation: a critical link between low-level and higher level vision. Visual Cognition, Kosslyn, S.M., Osherson, D.N. eds., MIT Press, pp.1-70 (1995)
[2] Driver, J., Baylis, G. C.: Edge-assignment and figure-ground segmentation in short-term visual matching. Cognitive Psychology, vol.31, pp.248-306 (1996)
[3] Zhou, H., Friedman, H.S., von der Heydt, R.: Coding of border ownership in monkey visual cortex. The Journal of Neuroscience vol.20 pp.6594-6611 (2000)
[4] Kienker, P.K., Sejnowski, T.J., Hinton, G.E., Schumacher, L.E.: Separating figure from ground with a parallel network. Perception, vol.15, pp.197-216 (1986)
[5] Sajda, P., Finkel, L. H.: Intermediate-level visual representations and the construction of surface perception. Journal of Cognitive Neuroscience, vol.7, pp.267-291 (1995)
[6] Kikuchi, M., Akashi, Y.: A model of border-ownership coding in early vision. Lecture Notes in Computer Science 2130 Artificial Neural Networks-ICANN2001, Dorffner, G., Bishop, H., Hornik, K. eds., Springer, pp.1069-1074 (2001)
 招待講演【2】
時間 15:30〜17:00
講演者 竹内龍人(NTTコミュニケーション科学基礎研究所 人間情報研究部)
タイトル 「輝度運動検出における色の役割」
概要 運動情報と色彩情報の符号化は、脳内の異なるシステム(Magno系、Parvo系) で行われていると考えられている[1]。もし運動と色の処理が独立なのであ れば、運動の知覚は、動いているパターンが持つ「色そのもの」には左右され ないことが予測される。そこで本研究では、パターン自体の色が二色間を交互 に変化する輝度パターンの運動検出に必要なコントラスト閾を測定した[2]。 「独立仮説」からの予測に反し、色変化により輝度運動の検出が大きく妨害さ れた。運動の妨害量は、二色によりもたらされるLM反対色系における変動と輝 度系における変動量[3]の線形和に比例していた。S反対色系における変動は、 運動妨害をもたらさなかった。以上の結果は、輝度運動に応答するメカニズム はこれまで考えられてきたような「色盲」ではなく、LM反対色系とS反対色系 が分離している神経レベルにおける色情報に選択性を持つ可能性を示している。 さらにこの結果から、輝度運動方向に選択的なメカニズムの形成に、Magno系 のみならず、従来無関係と考えられてきたParvo系が重要な役割を果たしてい るとする仮説を提案する。
参考文献 [1] Livingstone, M. S. & Hubel, D. H. (1987). Psychophysical evidence for separate channels for the perception of form, color, movement, and stereopsis. Journal of Neuroscience, 7, 3416-3468.
[2] Takeuchi, T., De Valois, K. K. & Hardy, J. L. (2002) The influence of color on the perception of luminance motion. Vision Research (in press)
 [http://www.brl.ntt.co.jp/people/takeuchi/seika_2.htm]
[3] Takeuchi, T., De Valois, K. K. & Motoyoshi, I. (2001) Light adaptation in motion direction judgments. Journal of the Optical Society of America A, 18, 755-764.

10月例会 (会員以外の方でも参加いただけます。事前登録や参加費は必要ありません。)
日時 10月11日 14:00〜17:00
場所 東京工業大学大岡山キャンパス西8E号館10階大会議室
テーマ 「位置計測技術」
 招待講演【1】
時間 14:00〜15:30
講演者 高山潤也(東工大大学院理工学研究科機械制御システム専攻)
タイトル 「信号場の概念を導入した能動的位置計測」
概要 複数の信号源から照射される変調信号の重ね合わせにより,特 殊な信号の合成場(信号場)が構成でき,この領域内での信号の強 度や位相を測定し信号処理することによって,位置や姿勢を計測 する方法を提案している.この信号場の利点は,変調信号を能動 的に変化させることにより,測定感度を変更可能なことも挙げら れる.
今回は,信号場を用いた位置計測の概念や,種々の信号場の計 測原理,およびそれら手法のメリット・デメリットを,応用例を 挙げながら紹介する.
参考 http://www-kobayashi.ctrl.titech.ac.jp/researches/
 招待講演【2】
時間 15:30〜17:00
講演者 秋山幸秀(朝日航洋株式会社空中探査部)
タイトル 「空中レーザー計測システム(ALMAPS);Scanning LiDAR Systemの利用展開」
概要  航空機に搭載したノンプリズム式スキャニングレーザー (LiDAR ; Light Detection And Ranging)光波計測システム の1つであるALMAPS(Asahi Laser Mapping System;アルマッ プス)を用いて高密度に空間情報を取得し,その形状データか ら地形図作成,防災調査,環境調査を行なうことができるよう になった.
 今回はシステムの紹介と実際の利用例を解説し加工した空間 データを使用してCG化したバーチャル空間への利用展開等を紹 介する.
参考 ALMAPS: (http://www.aeroasahi.co.jp/spatial/geographic/b4.html)
国土交通省 NETIS(新技術情報提供システム)に登録。(登録番号:KT-990423)

8月例会 (会員以外の方でも参加いただけます。事前登録や参加費は必要ありません。)
日時 8月22日 14:00〜17:00
場所 東京工業大学大岡山キャンパス西8E号館10階大会議室
テーマ 「ユビキタス情報環境の要素技術」
 招待講演【1】
時間 14:00〜15:30
講演者 須崎有康(産業技術総合研究所)
タイトル 「ネットワークを渡り歩けるコンピュータ」
概要 アプリケーションが走るOSのスナップショット(実行状態) を撮り、そのスナップショットを別のコンピュータに転送した り、複製を作る技術を紹介する。この技術では、仮想計算機を 仲介することでユーザの使っているコンピュータに関わらずス ナップショットを再開可能とし、ネットワークやリムーバブル メディア(CD-ROM,DVD等)でスナップショットを持ち運ぶことを 可能とする。ユーザは手元のハードディスクにアプリケーショ ンのインストールをせずにデモを見ることができるため、安全 に試用できる。
参考 http://www.etl.go.jp/~suzaki/NTC/index.html
 招待講演【2】
時間 15:30〜17:00
講演者 益子貴史(東工大)
タイトル 「音声を用いた個人認証の合成音声に対する安全性の検討」
概要 ユビキタスネットワーク環境においては,個人認証技術が重 要な要素技術の一つとなる.ユーザに対して負担の少ない個人 認証手法の一つとして,音声を用いた本人確認手段である話者 認証があり,近年,その実用化に向け,数多くの研究が行われ ている.話者認証技術の実用化に向けては,他の個人認証手法 と同様,セキュリティの確保が重要な課題となるため,話者認 証の性能および安全性を高めるために様々な検討がなされてい る.しかしこれまで,話者変換や音声合成などの音声技術を用 いた詐称についてはほとんど考慮されてこなかった.一方,我 々は隠れマルコフモデル(HMM)に基づく音声合成システムにお いて,話者適応を用いた声質変換により,任意の話者に近い声 質をもつ音声を合成できる事を示している.そこで本講演では, これまでに行った話者認証に対するHMM音声合成を用いた詐称 に関する研究について述べる.
参考文献 [1]佐藤 隆之, 益子 貴史, 小林 隆夫, 徳田 恵一, 話者照合 におけるHMM音声合成による合成音声の判別, 情報処理学会論 文誌, vol.43, no.7, pp.2197-2204, July 2002.
[2]益子 貴史, 徳田 恵一, 小林 隆夫, 話者照合システムに 対する合成音声による詐称, 電子情報通信学会論文誌 D-II, vol.J83-D-II, no.11, pp.2283-2290, Nov. 2000.
[3]益子 貴史, 話者認証における詐称について, 電子情報通 信学会2002年総合大会講演論文集, 情報・システム1, PD-2-5, pp.280-281, Mar. 2002.



5月例会 (会員以外の方でも参加いただけます。事前登録や参加費は必要ありません。)
日時 5月23日 14:00〜19:30
場所 東京大学工学部(本郷) 6号館2階63号講義室
 招待講演【1】
時間 14:00〜15:30
講演者 佐藤誠先生(東工大精密工学研究所)
タイトル 「力覚ディスプレイSPIDARの開発10年を振り返って」
概要 計算機によって合成された三次元の世界を直接触れることができたら、 どんなに楽しいだろうか.ふと、そんなことを思い立ち、学生達と装置 を作り出して、あっという間に10年あまりの月日が経ちました. 講演では、これまで開発してきた糸を用いた力覚ディスプレイSPIDARの 幾つかをご紹介しながら、バーチャルリアリティやヒューマンインタフェ ースの研究について、日頃考えていることをお話したいと思います.
 招待講演【2】
時間 15:30〜17:00
タイトル 「小鳥の恋のかけひき」
概要 鳴き声や、行動に見る小鳥の求愛パターンを行動生物学、行動 科学の立場から分析する.
 通常総会 (ここからは会員のみの参加になります)
時間(総会) 17:00〜17:30
時間(懇親会) 17:30〜19:30



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