2000年7月例会
講演者:長井 隆行 氏(電気通信大学電子工学専攻)
ウェーヴレット変換は,様々な分野で応用され注目を集めている. また,フィルタバンクはウェーヴレット変換と非常に密接な関係にあり, 幅広く応用されている. 本講演では,こうしたフィルタバンク/ウェーヴレットの基礎となる, マルチレート信号処理,時間周波数解析を概説し,フィルタ(基底関数) の設計法について述べる.また、フィルタバンク/ウェーヴレットの画像 処理・認識への応用について,いくつかの研究事例を通して考察する.
《参考文献》
1)T. Nagai, T. Fuchie, and M. Ikehara, "Design of Linear Phase M-Channel Perfect Reconstruction FIR Filter Banks", IEEE Trans. on Signal Processing,VOL.45 NO.9, pp.2380-2387 Sep.1997
2)T. Nagai, C. W. Kok, M. Ikehara, and T. Q. Nguyen, "Design and Lattice Structure of FIR Paraunitary Filter Banks with Linear Phase", IEICE Trans. Fundamentals, VOL.E80-A NO.4, pp.712-721 Apr.1997
講演者:大豆生田 利章 氏(群馬高専)
集積回路の論理設計からレイアウト(実装)設計まで一貫した自動 設計を行うデザインオートメーション(DA)に関する概要を述べる. デザインオートメーションにはシステム設計, 論理設計, 論理合成, 回路設計, レイアウト設計, テスト設計が含まれるが, 特に論理合成 およびテスト設計に重点を置く. 論理合成とは, 回路の仕様記述から 論理回路を自動的に生成する技術であり, テスト設計は製品が良品か 不良品かの選別テストを行うための設計である. テスト設計は回路規 模が増大するにつれ困難になるため, テストを容易にするためにテス ト容易化設計と呼ばれる手法が用いられる. 最後に, このテスト容易化設計の各種手法を述べて, デザインオート メーションの他の段階との関連に触れる.
《参考文献》
1)菅野卓雄監修,堀口勝治編著,"ULSI設計技術",電子情報通信学会 (1993)
2)今井正治編著,"ASIC技術の基礎と応用",電子情報通信学会 (1994)
3)寺井秀一著,"VLSIデザインオートメーション入門",コロナ社 (1999)