9月例会
講演者:正井 康之 氏((株)東芝研究開発センター)
連続音声の認識が実時間で可能となり,PCをはじめホームコンピュータ や携帯機器のインタフェースとしての音声の利用が現実的なものと なってきた.東芝がこれまで実現してきたPC向け音声認識ソフトウェアや マルチメディア教育端末などの音声認識応用製品事例を紹介し,東芝の 不特定話者音声認識技術の特徴を説明する.また,ディクテーションの 特定分野へのタスク適応実験結果を報告し,連続音声認識の応用拡大の 可能性を考察する. 当日は実機によるデモを予定.
《参考文献》
[1] 松浦博他:「東芝の音声認識製品化への取り組み」,情処研究報告 2000-SLP-32,pp39-40 (2000)
[2] 新田他: 「複合特徴平面(MAFP)に基づく音声特徴抽出」,信学技報, SP98-21,pp57-64 (1998)
講演者:今井 亨 氏(NHK)
NHKでは毎晩7時のニュースの一部で,音声認識を利用した字幕放送を 試行的に行っている.これは,生放送のスタジオ・アナウンサーの音声を リアルタイムで音声認識して,誤りがあれば即座に人手で修正しつつ 字幕を作成するものである.ニュース音声認識システムは,アナウンサー 用に学習された音響モデル,最近のニュース原稿に適応化された語彙と 言語モデル,音声からの遅れを最小限に抑えて認識結果を確定するサーチ エンジンなどを特徴としている. 本講演では,本システムの概要と各要素技術について解説する.
《参考文献》
[1] 今井亨,小林彰夫,尾上和穂,安藤彰男,"ニュース番組自動字幕化のための音声認識システム,"情処学音声言語情報処理研報,23-11,pp.59-64, Oct. (1998)
[2] 後藤淳,今井亨,清山信正,今井篤,都木徹,安藤彰男,磯野春雄,"ニュース音声認識結果のリアルタイム修正装置",信学総大,A-15-15, pp.293, March. (2000)
[3] 小林彰夫,今井亨,安藤彰男,中林克己,"ニュース音声認識のための時期依存言語モデル,"情処学論、Vol.40, No.4, pp.1421-1429, Apr. (1999)
[4] 今井亨,小林彰夫,佐藤庄衛,安藤彰男,"逐次2パスデコーダを用いたニュース音声認識システム,"信学技報,SP99-129, pp.85-90, Dec. (1999)