3月例会
- 「CAVEを中心とした没入型投影ディスプレイの利用動向」 高橋裕樹氏(東工大)
- 「多視点画像処理による臨場感コンテンツ生成技術の動向」 斎藤英雄氏(慶応大)
講演終了後(17時頃〜)、高橋裕樹氏の講演に関連して、東工大のCAVEシステムのデモがありました。
講演者:高橋裕樹氏(東工大)
没入型投影ディスプレイ(IPD: Immersive Projection Display)とは,大画面の映像で体験者の視野を囲むことによって,体験者に映像への没入感を与えようとするディスプレイのことである.これは,イリノイ大学EVL(Electronic Visualization Laboratory)のT.DeFantiらのグループによって1992年に提案された10feet四方のスクリーンに囲まれたCAVE(CAVE Automatic Virtual Environment)から始まった.
本講演では,1996年東工大VBL(Venture Bussiness Laboratory)へのCAVE cloneの導入時や中嶋研究室でCAVE関連の研究を行なう際に生じた様々な検討事項について述べる.
また,現在では,CAVEに代表される小部屋型ディスプレイ以外にも様々な形態の表示装置が提案され,実際に利用されている.そこで,国内に導入されたCAVEシステムを含む没入型投影ディスプレイの利用動向についても概観する予定である.
当日は,CAVEのデモを予定している.
《参考文献》
[1] 高橋 裕樹,中嶋 正之: "CAVEシステムの動向", 月刊ディスプレイ, テクノタ イムズ社, Vol.6, No.1, pp.76-79, 2000(Jan.).
[2] 中嶋 正之, 高橋 裕樹 : "CAVEを中心とした大型映像システムの最新動向", 信学技法, MVE97-86, pp.35-42, 1997-10.
[3] 中嶋 正之 : "CAVE --新しい立体映像空間--", 電子情報通信学会誌, 80, [8], pp.888-890, 1997.
[4] 増野 智経, 齋藤 豪, 高橋 裕樹, 中嶋 正之: "Waraji: 仮想環境のための足 を用いた入力インタフェース", 映像情報メディア学会誌, Vol.54, No.6, pp.833-839, (2000.6).
[5] 鈴木 尚亨, 高橋 裕樹,中嶋 正之: "大型VRシステムのための能動型3次元位 置センサAMUSE", 日本VR学会論文誌, Vol.4, No.3, pp.511-520, (1999.9).
[6] 橋本直己, 中嶋正之: "CAVEにおける直観的操作手法と動的自由度制御を用い た3次元形状モデラ", 日本VR学会論文誌, Vol.4, No.3, pp.487-494, (1999).
講演者:斉藤英雄氏(慶応大)
近年、マルチカメラシステムなどにより得られる多視点画像から、 実環境を3次元モデリングし、仮想環境等で臨場感のある表示を 行う研究と、その応用が非常に盛んになってきた。本講演では、 多視点画像処理による臨場感のあるコンテンツを生成する技術 について、最近の技術動向と、関連技術を応用したプロジェクト について報告する。
《参考文献》
[1] 矢口悟志・斎藤英雄, "Projective Grid Spaceにおける多視点シルエット画 像からの自由視点画像生成", 電子情報通信学会技術報告,PRMU2000-26, June 2000.
[2] 松本圭介・須藤 智・斎藤英雄・小沢慎治, "サッカーシーンにおけるボー ル追跡に基づく最適視点決定システム",電子情報通信学会技術報告, PRMU2000-27, June 2000.
[3] 北原格,大田友一,斎藤英雄,秋道慎志,尾野徹,金出武雄,"大規模空間 における多視点映像の撮影と自由視点映像生成", 3次元画像工学コンファレン ス、July 2000
[4] 斎藤英雄,金出武雄, "多数のカメラによるダイナミックイベントの仮想化", 情報処理学会コンピュータビジョンとイメージメディア研究会, 119-16, Vol.99, No.93, pp.117-124, 1999.11
《 関連プロジェクトのページ》
《講演者のホームページ》